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フランスの社会学者マルセル・モース(1872-1950)は、1925年に『贈与論』を

 

発表しました。人間の経済の原初形態は足りないものを補い合う「物々交換」

 

にあるのではなく、贈り物によって敵を味方にする、「贈与」にあるのだと主

 

張し、モースは近代的な貨幣経済を“道徳的”に批判する。商業主義的な消費は

 

「有害」であり、それを支えている産業法や商法は道徳に反しており、非人間

 

的だとそうモースは言う。

 

現代社会の道徳や生活も贈与の性格をもっている。物は金銭的な価値だけでな

 

く、感情的な価値も保っている。

 

贈ることとお返しすることを通して、より相手を慮る想像力を醸成し、私たち

 

の社会は何らかの価値を見出していきます。

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